
まずは基本的な知識として、そもそもLinuxディストリビューションとは?
LinuxはもともとUnixを参考に作られたオープンソースとして広く配布されました。ディストリビューション(Distribution)は、英語で分布や流通を意味する単語。
無償で配布されるLinuxは、ディストリビューションという言葉が使われるようになりました。
OSとアプリケーションがセットになっているものが多いので、インストールすればすぐに使えます。
Linux に関する情報を検索すると、だいたい紹介されているので、ここではザックリとしか紹介しませんが、Linux は大きく分けて3系統あります。
ぼくは個人的に「メイン3系統」と読んでいます。(どうでもよいですが…苦笑
名前と特徴だけ覚えておきましょう。
RedHat系
Linux界隈で有名なRedHat社が開発している有償のディストリビューションがメイン。
「有償」という言葉からもわかる通り、仕事向けのイメージが強い。
もちろん無償版のLinuxもある。
CentOSとFedoraがそれ。
とくにCentOSはWebサーバーなどで大活躍中のOSなので聞いたこともあるかと思います。
ということで仕事に強いのがRedHat系。
Debian系
ボランティアが中心になって開発が進められているディストリビューションがDebian系。
とにかくユーザーフレンドリーな考えがメインになっているので、さまざまな場面で親切になっているのがありがたい。
それがわかるのがDebianの宣言。
1. Debian は 100%フリーソフトウェアであり続けます
2. 私たちはフリーソフトウェアコミュニティにお返しをします
3. 私たちは問題を隠しません
4. 私たちはユーザとフリーソフトウェアを大切にします
5. 私たちのフリーソフトウェア基準に合致しない著作物について
なんと素晴らしい宣言でしょう。
もっともLinuxらしいLinuxと言える。
このDebianから派生して、UbuntuやLinux mintなどができている。
Slackware系
使い方が難しい玄人向けのディストリビューション。
Linuxのなかでもっとも安定性が高く、セキュリティも強固。
その上高速に運用できるスグレモノ。
設定は難しいが非常に優秀なLinux。
職人気質の玄人エンジニアには最適の優秀なディストリビューションだが、その難しさのため現在は若干下火の傾向にある。
しかし優秀なディストリビューションなのでいずれまた流行する時が来るはずです。
以上「メイン3系統」でした。
知っておくと、後からいろいろ役に立ちます。
初心者オススメ Linux ディストリビューション
ちょっとその前に、
さっそく紹介したいところですが、まず前提として考えておきたいことがあります。
「Linux を使って何をしたい?」です。
Linux 選びに限ったことではありませんが、とくに選択肢の多いLinuxではより重要です。
そのLinuxで何がしたいかを決めていれば、選択肢は絞られてきます。
目的に応じたLinuxを選択するのがよいでしょう。
目的は大きく分けて2つ。
A.普通のパソコンとしてLinuxを使う
B.サーバーなど仕事としてLinuxを使う
それぞれについてオススメを紹介していきます。
【目的別 Linux 選び】普通のパソコンとして使いたい
Ubuntu
普通のパソコンとして使うときに、もっとも名前があげられるのがUbuntu。
ユーザーフレンドリーなLinuxとして主張しており、Ubuntuという言葉自体アフリカの単語で「他者への思いやり」を意味している。
オフィスソフトや画像編集ソフトなどさまざまなソフトウェアがセットになっているため、インストールすればすぐに使える。日本語環境もまったく問題がない。この便利さが受けて、さまざまな派生を産むようになった。
ちなみに一般的にオープンソースで心配なのが組織の安定性。気に入っている物でも組織が資金や人材などさまざまな面で不安定だと、ふとしたことで潰れてしまうことがある。しかしこのUbuntuでは資金面でも十分に蓄えており、将来にわたって無償提供をしていくと宣言するほどだ。
Windowsと同等に使えるほどのOSではあるが、独自のインターフェイスには慣れが必要。
ぼくも個人的にインターフェイスが苦手だったため他のディストリビューションを選んだが、2010年4月時点で全世界1,200万人のユーザー数(Windows、macOSに続き3番目に多く使われている)を誇る人気の高いLinuxディストリビューションのひとつ。
Linux Mint
Ubuntuから派生したディストリビューションだが、Linux Mint はより洗練されているため、現在では元祖よりも人気が出ている。難しい設定が不要で、インストールすれば簡単に使えることが特徴。
コミュニティなども充実しているため、一昔前のように「あとは頑張れ」的なことはない。日本語対応は若干手を加えなければいけないが、日本語コミュニティの情報で問題なく対応できる。
Zorin OS
ぼくがもっとも好んで使うディストリビューションが、このZorinOS。
これもUbuntuから派生したもの。
インターフェイスのカスタマイズも手軽にできるので、見た目をWindows風やMac風にすることができる。サクサク軽快に動く上、見た目も非常に洗練されているので、UbuntuのUIが好きになれなければぜひ使ってみるといい。
個人的にもっともオススメするLinux。
【目的別 Linux 選び】サーバーなど仕事として使いたい
CentOS
RedHatLinuxのクローンOS。クローンの意味する通り中身は同じLinux。違うところはRedHatLinuxから有償の部分を取り除いただけ。OSとしては安定的に使えるため、企業のサーバーとしても使われることが多い。
Linuxエンジニアをはじめとした、仕事でLinuxを覚えたい人にはオススメのOS。
Debian
先に紹介したDebianの宣言の通り、オープンソースの精神が色濃く反映され、世界中の有志が集まって磨かれた質の高いOS。
情報が非常に豊富なため、日本語での情報も充実している。
英語が苦手でも解決策がすぐに見つかることでしょう。
まとめ。
以上、初心者にオススメなLinuxディストリビューションについてまとめてみました。
普段使いのOSとして使うのであれば、Ubuntu系から選ぶことをオススメします。
CentOSやFedoraでも問題ありませんが、インターフェイスやパッケージの扱いやすさ使いやすさはUbuntu系の方が上です。
その反面、仕事で使うのであれば、エンジニアとしてのキャリアを磨くためにもCentOSやDebianなど硬派なLinuxディストリビューションにトライしてみても良いでしょう。
さて。
お気に入りのLinuxディストリビューションが見つかりましたか?